店舗の電気代は何で決まる?明細の読み方と、見直しを効く順に解説

この記事のポイント

  • 店舗の電気代は「基本料金」「電力量料金(燃料費調整額を含む)」「再エネ賦課金」の3つでできている
  • 資源エネルギー庁の資料では、夏の夕方の電力のうち飲食店は約5割、卸・小売店は約4分の1を空調が占める
  • 高圧契約(500kW未満)は、その月と過去11か月で最も大きい30分デマンドで契約電力が決まり、1回のピークが1年間の基本料金に響く
  • 見直しは「明細を読む → 運用 → 契約 → 設備」の順に。設備や商品は、自店舗で測ってから判断する

店舗の電気代は何でできている?

まず請求書(検針票)を手元に置いてください。法人の店舗の電気代は、大きく分けて次の3つでできています。

基本料金:契約電力(kW)や契約容量で決まる、使っても使わなくてもかかる部分です。
電力量料金:実際に使った電気の量(kWh)に単価を掛けた部分です。燃料の価格に応じて毎月上下する「燃料費調整額」もここに含まれます。
再エネ賦課金:使った電気の量に応じて、全国一律の単価でかかる部分です。2026年度の単価は1kWhあたり4.18円で、2025年度の3.98円から上がりました。

つまり、電気代を下げる方法は「使う量(kWh)を減らす」「ピーク(kW)を抑えて基本料金を下げる」「単価や契約の条件を見直す」の3方向しかありません。どこから手をつけるかは、明細のどの項目が大きいかで決まります。

店舗では、どの設備が電気を使っている?

資源エネルギー庁の「夏季の省エネメニュー」は、夏の17時ごろに店舗の電力がどの設備で使われているかを業種別に示しています。

業種空調照明その他の主な設備
飲食店50.5%17.4%冷凍・冷蔵、調理機器など
卸・小売店26.2%21.8%冷凍・冷蔵、ショーケースなど
食品スーパー24.3%16.3%ショーケース 37.8%、冷凍・冷蔵 9.9%

出典:資源エネルギー庁「夏季の省エネメニュー」(東北経済産業局掲載資料)。夏の17時ごろの電力消費の内訳。

飲食店では夏の夕方の電力の約半分が空調で、照明と合わせると約7割になります。食品スーパーではショーケースがいちばん大きい項目です。自分の店舗の業種で何が大きいかを知っておくと、見直しの優先順位がつけやすくなります。

基本料金は、なぜ1回のピークで1年間決まる?

契約電力が50kW以上の高圧契約では、30分ごとの平均使用電力(デマンド値)が記録されています。契約電力が500kW未満の場合、その月と過去11か月のうち最も大きいデマンド値が契約電力になり、基本料金の計算に使われます。

つまり、真夏のある日の30分だけ空調と調理機器が重なって使用電力が跳ね上がると、その値が向こう1年間の基本料金を決めてしまいます。開店直後に全ての空調を一斉に入れる、ピーク時間帯に機器の稼働が重なる、といった運用は、使用量の割に基本料金を押し上げる原因になります。

低圧で契約している小規模な店舗では、契約容量や契約の種類で基本料金が決まるため、まずは契約内容が今の設備に合っているかを確認します。

電気代の見直しは、どの順番で進めると効く?

おすすめの順番は「明細を読む → 運用 → 契約 → 設備」です。お金をかけずにできることから始め、効果を確かめながら投資の判断に進みます。

1. 明細を読む:基本料金と電力量料金のどちらが大きいか、月ごとの使用量(kWh)とピーク(kW)がどう動いているかを確認します。
2. 運用を見直す:空調の設定温度、フィルターの清掃、照明の点灯時間や間引き、冷蔵・冷凍設備の扉の開け閉めなど。前出の資源エネルギー庁の資料でも、照明の間引きや空調の設定温度の調整が、取り組みやすい対策として業種別に挙げられています。
3. 契約を見直す:デマンドの管理、契約電力や契約種別、電力会社のプランが今の使い方に合っているかを確認します。
4. 設備・商品を検討する:照明のLED化、空調の更新、節電関連の商品など。費用がかかるため、導入前後で数値を比べられる状態をつくってから判断します。

蛍光灯はいつまで使える?LED化を考えるタイミング

水銀を使う一般照明用の蛍光ランプは、種類に応じて2027年末までに製造と輸出入が段階的に廃止されます。今使っている蛍光灯を使い続けることや、在庫品の販売は期限後も禁止されていません。

ただ、交換用のランプは今後手に入りにくくなると見込まれます。照明が電力の2割前後を占める業種では、ランプが切れてから慌てるより、器具の更新時期に合わせてLED化を計画しておくほうが現実的です。

節電の商品や設備は、どう判断すればいい?

節電をうたう商品や設備は数多くありますが、効果は店舗の設備構成や使い方によって変わります。カタログや他社の事例の数字は、そのまま自店舗に当てはまるとは限りません。

判断の基本は「自店舗で、導入前後を同じ条件で測る」ことです。比べる期間の長さや時期(曜日・気温・営業日数)をそろえないと、正しい比較になりません。

IGNODEでは、分電盤の主幹ブレーカーに貼る節電カード「エネコン®」を、2週間の無料測定から導入をご検討いただける形でご案内しています。効果が出なければ導入いただく必要はありません。効果は設置環境により異なり、削減を保証するものではありません。

よくある質問(FAQ)

Q. 店舗の電気代でいちばん大きいのは何ですか?

業種によって違います。資源エネルギー庁の資料では、夏の夕方の電力のうち飲食店では約5割、卸・小売店では約4分の1が空調でした。食品スーパーではショーケースがいちばん大きい項目です。

Q. 再エネ賦課金はいくらですか?

2026年度の単価は1kWhあたり4.18円です(2025年度は3.98円)。使った電気の量に応じて、全国一律でかかります。

Q. デマンドとは何ですか?

30分ごとの平均使用電力(kW)のことです。高圧契約では、その月と過去11か月で最も大きいデマンド値が契約電力になり、基本料金に影響します(契約電力500kW未満の場合)。

Q. お金をかけずにできる節電はありますか?

空調の設定温度の見直しやフィルターの清掃、照明の点灯時間の見直しや間引き、冷蔵・冷凍設備の扉の開け閉めの管理など、運用で取り組めることがあります。

Q. 蛍光灯は2027年以降使えなくなりますか?

使い続けることは禁止されていません。製造と輸出入が2027年末までに段階的に廃止されるため、交換用ランプが手に入りにくくなる点に注意が必要です。

Q. 節電商品の効果はどう確かめればいいですか?

導入前後で、期間の長さや時期などの条件をそろえて自店舗の使用量を測るのが基本です。IGNODEでは、節電カード「エネコン®」について2週間の無料測定を行っています。

参考資料

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